会議日:令和7年10月3日
( 市会定例会 局別審査( 資源循環局 ) )
地域防災拠点のトイレ対策

次に、「地域防災拠点のトイレ対策」について伺います。
災害時の避難所ではトイレ環境の整備が不可欠です。本定例会では機動性に優れたトイレトレーラー取得案が提出され、防災戦略の強化として評価しています。しかしトレーラーは応急的対策にとどまり、地域防災拠点での恒久的なトイレ整備がより重要です。本年8月に川崎市がマンホールトイレを導入検討するという報道がありましたが、横浜市では先駆けて平成21年度から下水直結式仮設トイレ「ハマッコトイレ」を整備してきました。
そこでまず、確認を含めて、ハマッコトイレの整備状況について、家庭系廃棄物対策部担当部長に伺います。

令和5年度に、建替え中の学校などを除く全ての地域防災拠点において、ハマッコトイレの整備が完了しました。
今年度からは、トイレの数を増やすことを目的として、新たに4人同時に使用可能な男性用小便器タイプのトイレの導入を進めており、令和11年度までの5年間で全ての地域防災拠点に配備する計画です。

「ハマッコトイレ」は広報活動にも力を入れていることを感じていますが、若い方や他都市から転入した方など、まだなじみがない人も多くいます。
そこで改めて、ハマッコトイレの仕組みと使用可能な日数について、家庭系廃棄物対策部担当部長に伺います。

ハマッコトイレは、耐震化された専用下水道管につながる5つのマンホールの上に仮設トイレを設置し、マンホールと便器を直接接続して使用します。
マンホールの下は貯留管となっており、学校プールの水をポンプで事前に注入し、トイレを使用後にし尿が一定程度溜まったら、せき止めている貯留弁を開け、下水道管に流す仕組みです。
プールの水が満タンの場合は、約100日間程度使用することができます。

能登半島地震などの大地震では、老朽化した下水道管が破損するなどの事態も発生しています。
ハマッコトイレにおいては、し尿を流す下水道管の耐震化も進められており、地域防災拠点のトイレ機能を支える重要な対策であると認識しております。
しかしながら、災害に「絶対」はなく、様々な状況を想定した柔軟な対応が求められます。
そこで、下水道管に想定外の被害があった場合の対応策について、家庭系廃棄物対策部担当部長の見解を伺います。

ハマッコトイレは、貯留管に約800Lのし尿を貯めることができるため、万が一、し尿を流せない場合でも、トイレを約2,600回使用することができます。
またハマッコトイレ以外にも、全ての地域防災拠点にトイレパックやくみ取り式の仮設トイレを備蓄しております。
さらにトイレが不足した場合に備え、災害トイレ資機材を取り扱っている企業と災害時の配送協力に関する協定を結び、追加配備できる体制を整えております。

地域主体で運営する地域防災拠点では、発災時に下水道管の使用可否を判断するのは困難です。行政が運用面を支援すれば、市民の安全がさらに高まると考えます。
横浜市は阪神・淡路大震災を契機に災害時トイレ整備を進め、他自治体に引けを取らない水準を確保してきました。しかし災害対応は常に見直しと改善が必要であり、今後も継続的な取組が求められます。
そこで、今後のどのように災害時のトイレ対策を進めていくのか、局長に伺います。

地域防災拠点におきましては、資機材を配備するだけでなく、拠点を運営する地域の皆様にしっかりと運用していただけるよう、平時のうちから備えていくことが大切であると考えております。
これまで下水道河川局や区役所と連携しまして、ハマッコトイレの使い方についての訓練を行ってまいりましたが、発災時に、よりスムーズに使用していただけるよう、今後は組立手順をわかりやすく解説する新たな動画も作成してまいります。
市民の皆様が安心して避難生活を送れるよう、引き続きトイレ対策の充実に向け取組を進めてまいります。

能登半島地震を契機として、災害用トイレ資機材への関心が高まり、現在では多様な製品が開発・導入されつつあります。なかでも、下水道管の状況に左右されることなく使用可能な、大容量の汚水タンクを備えた貯留型トイレは、非常に高い信頼性を有するものと考えております。こうした資機材を、たとえば帰宅困難者対策として公園等に設置するなど、まだまだ取り組める施策は多く残されております。
市民の皆様が災害時にも安心して過ごせる環境づくりに向けて、引き続きご尽力いただけることを期待し、次の質問に移ります。
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