会議日:令和6年3月3日
( 予算第二特別委員会( 環境創造局 ) )
下水再生リンの肥料化の推進 【政策課】
次に、下水再生リンの肥料化の推進について伺います。
昨今の国際情勢を受け肥料の国際価格が高騰する中、政府は下水処理の過程で発生する汚泥等の利用拡大による、肥料の国産化・安定供給などを進めています。
特に、農作物を作るために必要な栄養素の一つであるリンは、ほぼ全量輸入に頼っている状況ですが、本市では、今年度から国の補助を受けて下水汚泥から肥料の原料となる再生リンを回収する施設の建設を行うとともに、JA横浜・全農かながわと3者で連携協定を結んで下水再生リンの肥料利用の促進に取り組んでいます。
私は、この下水再生リンの肥料化は、食料安全保障の強化につながる重要な取組であると考えており、前回の局別審査においても、着実に推進していただくようお願いしていたところであり、現地での施設整備も進んでいると聞いています。
そこで、
(1)現在の進捗状況と令和6年度の取組について政策調整部長に伺います。
下水汚泥からリンを回収する施設が今年度内には完成し、リンの生産を開始する見込みです。
令和6年度は、肥料法に基づき、本市が農林水産省へリン成分の肥料登録を行い、その後、全農かながわが肥料の試作品を製造し、JA横浜の圃場などにおいて試験的に利用を開始する予定です。
今回整備された施設から生産できる下水再生リンは、年間40t程度だと聞いています。
この下水再生リンを窒素など他の肥料成分と配合して、農家の方々が利用する肥料を製造することになると伺いました。
そこで、
(2)どのような肥料を想定し、どのように農家に使ってもらう事を考えているか 農政部長に伺います。
本市では、野菜、果樹、花卉、植木など、多種多様な農業が営まれていますので、どの作物にも使用できる、汎用性の高い肥料の製造を考えています。
この肥料を農家の方々に、まずは手に取って使っていただけるよう、製造工程や安全性を分かり やすくご説明する研修会や現地見学会を実施していきます。
本取組は、社会情勢の変化を契機に、食糧安全保障の重要性が改めて見直され、肥料の国産化も視野に、下水道の資源を有効活用して課題の解決を進めようとする、大変重要な取組だと捉えています。
このため、農家の皆様はもちろんのこと、広く市民の皆様にこの取組を周知していく事が重要であると考えています。
そこで、
(3)下水再生リンを活用した肥料の国産化の取組を広く周知すべきと思いますが、見解を局長に伺います。
下水からリンを取り出すこの取組は、食料安全保障の強化に加え、限りある資源であるリンを回収して肥料化するという循環型社会の形成に資する取組でもあります。今後、本格的にリン回収事業として本市が実施していくためにも、広く市民の皆様に知っていただくことが大変重要だと考えています。
このため、地産地消のイベントやマルシェなど、市民の皆様が農産物に直接手を触れる場面などで、新たに作成する予定ですが、ロゴマークや分かりやすいパンフレット、さらにはホームページ、広報よこはまなど、あらゆる機会や媒体を活用して積極的にこのリン回収の取組を周知していきたいと考えています。
下水再生リンの肥料化は、食料安全保障の強化に資するだけでなく、サーキュラーエコノミーにもつながる取組です。 JA横浜など多くの関係者との連携を深め、この取組が着実に進んでいく事を期待して次の質問に移ります。