令和4年度

⑥ 令和4年度決算特別委員会【下水汚泥からの再生リンの回収】答弁

会議日:令和5年10月5日
(決算第二特別委員会(温暖化対策統括本部・環境創造局関係))

下水汚泥からの再生リンの回収

しらい亮次

次に、下水汚泥からの再生リンの回収について伺います。

しらい亮次

私は7月の常任の視察で、神戸市の下水汚泥からリンを回収する取組を視察しました。下水処理場の中にある施設から、この粉末状のリンを取り出して肥料化を行っていました。

昨年度、食料安全保障の強化に向け、国では下水汚泥の肥料利用拡大に向けた官民検討会を開催し、下水道資源の肥料利用の大幅な拡大に取り組むための方向性が示されました。

この国の方向性に呼応するように、本市においても、下水汚泥から肥料原料としての下水再生リンを回収する取組に着手しました。そこで、

(1)本市が下水再生リンを活用した肥料化の取組に着手した背景について、政策調整部長に伺います

政策調整部長

これまでも下水道資源の有効活用に積極的に取り組んできており、汚泥の燃料化や消化ガス発電などと併せて、肥料の原材料となるリンについても着目していたこと、国が肥料の国産化に向けて大きく動き出したこと、加えて、JA横浜などを通じ、市内農家の皆様から肥料価格の高騰への対応に対する心配の声が届いていたことから、下水再生リンを活用した肥料化の取組に着手しました。

しらい亮次

以前、我が党の伏見委員が「下水汚泥からのリン回収に関する今後の取組について」質問をした際、市長より「国土交通省で取り組んでいる下水道革新的技術実証事業、いわゆる「B-DASH 事業」に本市の提案した技術が採択され、全額補助でリン回収施設の建設を進める」との内容のご答弁がありました。そこで、

(2)B-DASH事業の概要と採択された提案内容について、下水道施設部長に伺います。

下水道施設部長

B-DASH事業は、国土交通省が革新的技術の研究開発と普及展開を目指すため、地方公共団体等に委託し、実規模レベルの施設を設置して、技術的な検証を行う事業です。

採択された提案内容は、下水汚泥から化学反応によりリンを回収すること、センサーを活用した自動 制御や、施設内の廃熱利用により効率的にリンを回収する技術を導入すること、などです。

しらい亮次

下水汚泥からリンを取り出す施設が完成しなければ、実際の肥料化に向けた取り組みには着手できないと思います。

365日、24時間、休むことなく稼働している施設内での工事のため、工程や作業動線の調整等、大変なことも多いと思いますが、施設がいつ完成するか気になるところです。そこで、

(3)リン回収施設の整備状況について、下水道施設部長に伺います。

下水道施設部長

リン回収施設は、北部汚泥資源化センターで汚泥から下水再生リンを年間40トン生産する設備であり、これまで、リン回収技術を有する民間企業と連携し、設備設計などを進めています。

現在、設備製作を進めており、年内に設備の設置を開始し、令和6年3月の竣工を予定しています。

しらい亮次

本取組は、下水汚泥資源の活用を通じて、国内で安定的に肥料原材料を確保できることになり、我が国の食糧安全保障の観点からも極めて重要であると思います。同時に、全国的な肥料価格の動向や営農者のニーズなども踏まえつつ、リン回収に係る費用などを適正に把握するなど、事業化に向けては、下水道、にとってもメリットのある事業にしてほしいと思います。そこで、

(4)下水道事業にとっても有益な取組とすべきと考えるがその見解について、局長に伺います。

局長

肥料の国産化に国が大きく動き出す中、この下水道に寄せられる期待は非常に大きいと考えています。このため、横浜市の持つ技術や資源を最大限に発揮し活用することで、国の食料安全保障の強化に下水道が貢献できることは、大変大きな意義があると考えています。リンの回収は、下水道資源の有効活用や、東京湾の赤潮対策といった水質改善にもつながります。引き続き、下水道事業を通じて様々な社会課題の解決に貢献していきたいと考えます。

しらい亮次

下水道の資源を農業に有効活用することは、農作物生産の構造転換やサーキュラーエコノミーにもつながる重要な取組みとして大変期待しております。

リン回収施設のランニングコスト等も十分に検討していただきながら、着実に推進していただくことを要望し、次の質問に移ります。

次の質問は、【浸水対策】です。
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