令和4年度

⑤ 令和4年度決算特別委員会【農業の継続支援】答弁

会議日:令和5年10月5日
(決算第二特別委員会(温暖化対策統括本部・環境創造局関係))

農業の継続支援

しらい亮次

次に、農業の継続支援について伺います。

市内では、約3,000戸の農家の方が熱心に営農に励んでおり、都筑区でも、経験豊富なベテラン農家はもちろんのこと、農家の後継者や新規就農者の方々も活躍しています。こうした農家の方たちによって、多くの農畜産物が生産、提供されており、本市の農業算出額は神奈川県内でトップを誇っています。

しらい亮次

一方で、令和2年の農林業センサスによると、横浜市内の農家の戸数は平成27年と比較して1割以上減少していることが分かりました。このままの状況では、何十年か後には、私たちの食卓に横浜野菜が並ばなくなるのではないかとの懸念もしています。

実際に地元の農家の方と話すと、農業を継続していくことの不安の声が聞かれます。そこで、

(1)農家が農業を継続する上での課題について、農政部長に伺います。

農政部長

令和4年度に実施した1,000平方メートル以上の農地所有者 約5,600人に実施した調査では、「高齢化や後継者不足」「安定的な収入の確保」などに関する声を多くいただきました。

このようなことからも、「担い手や労働力の確保」、「経営の安定性」、「良好な生産基盤の維持」が大きな課題と捉えています。

しらい亮次

横浜の農業を支えている農家の方には、将来も長く農業を続けていっていただきたいと強く思います。

それぞれの農家は日々努力と工夫を重ねながら営農していますが、個々の努力だけでは解消できない課題もあることから、市の支援が大切だと思います。そこで、

(2)農業の継続のために、どのような支援をしているのかを農政部長に伺います。

農政部長

新規就農者等の担い手の確保に向けた取組とともに、安定的な農業経営に資するよう、トラクターなどの機械購入や農業用ハウスなどの施設整備に対する助成などを実施しています。

また、畑地かんがい施設などの農業生産基盤の整備に対する支援や、農産物の高品質化を進めるスマート農業技術の導入などに対する支援も進めています。

しらい亮次

引き続きしっかりと進めていただきたいと思います。

横浜は、身近な直売所やスーパーなどでも地場野菜などを購入することができます。

私の地元の都筑区にも多数の直売所があり、とれたての横浜野菜はとても人気があります。身近なところに、地元の農産物を購入できる機会があることはとても素晴らしいことだと思います。

一方で、JAの青壮年部の方々等に話を聞くと、農家には価格決定権がないんだ、というお声をたくさん聞きます。それは育てた野菜を市場に持っていくと、地方の野菜と比べられて、採算が取れない価格になってしまうし、価格決定権が本来ある直売所でも、結局スーパーの価格に引っ張られてしまって、暮らしていけるだけの価格設定をすることができないといったお声で、私としても、手間暇かけて育てた農産物の販売価格を、採算に見合うように価格設定ができると、農業がもっと継続しやすくなるんだろうと感じています。

私が確認したところ、市内農家が適正な年間所得を得るためには、私の地元の都筑区で多く生産されている小松菜を例にすると、平均的な小売価格150円を約1.4倍の210円ほどにする必要があるようです。

地元でとれる農産物に市民が愛着をもち、適正な価格であることを理解した上で、「横浜の野菜は横浜市民が支えていくんだ」という気概で購入していただくことが重要です。そのためには、市内産農産物に対する市民の意識を変えていく必要があると思います。そこで、

(3)横浜の農産物を買い支えるための市民の意識醸成が必要であると考えますが、環境創造局長の見解を伺います。

局長

横浜の農畜産物は、生産地と消費地が近く、新鮮でおいしいことに加え、輸送にかかるCO2排出が少ないなど、環境に優しいことにもつながっています。

このようなことに加え、市民の皆様が横浜の農畜産物を手に取り購入することで、農家の安定経営に大きく貢献している、このようなことを、より一層伝えていくことが重要だと考えています。

様々な手法を用いて市民の皆様の意識醸成を図り、生産、流通、販売、消費 という地産地消の好循環を一層促し、横浜の特徴ともいえる都市農業の継続的発展を目指し、積極的に取り組んでいきます。

しらい亮次

国では、食料安全保障の強化に向けた新たな取組についての検討もされており、横浜においても農業生産が継続できるよう農家をしっかりと支えていく必要があると思います。

まずは市民の気づきを促し、意識を変えていただくための啓発の取組をしっかりと行うことを要望して、次の質問に移ります。

次の質問は、【下水汚泥からの再生リンの回収】です。
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